『私は私のまま、誰にでも変われる』 レビュー


総合的に快作。2008年度の伏兵。シナリオライターの今後に期待。
シナリオ:良作〜快作
プラスα要因:エロシーン豊富、巨乳属性、Innocent Grey




埋もれている雰囲気がプンプンするゲーム。ベスト級とまでは言わないが結構良い。ストーリー紹介から作品内容が分からないせいで埋もれたかも。
バカ、エロ、陵辱、ホラー、伝奇、わいわい、トリック。多くの要素が盛り込まれた作品の読後感想は「楽しかった」の一言に尽きる。


ストーリーは説明しづらい。
誰かになりきる「変心」という能力を持った幼馴染ヒロインとともに向かった修学旅行で起こるエロ伝奇、とでも言おうか。
公式ストーリ紹介では「変心」が前面に押し出されていて、重要な要素ではあるのも確かだが、「変心」が駆使されるエロコメディではない


下ネタとパロディ絵を駆使して導入する序盤、普通のギャルゲーっぽい盛り上がりを見せる中盤、絵柄を間違えたかのような陵辱シーンと謎と引きがプレイヤーを引き込む展開、そしてしっかりとした伏線回収と大団円。
まずは本作が処女作っぽい企画・シナリオ担当の友坂ひそか氏が評価されるべきであろう。物語のトリックには先が見えるものもあったし、伏線の回収にはこれは少しというのもあった。だがそれらを差し置いてメインの謎と伏線回収はきれいに収めてくれた上、エロ込みでこれだけ読ませる話に仕上げたのだから。
そして忘れちゃならないのが音関係。特に効果音は頑張っていた。音が目新しいというわけではないのだが、とりあえずガンガン効果音を放り込んだ感じ。このおかげで物語の引きとB級の雰囲気がぐんと増した。
音楽も良いと思う。別に曲単体でどうこうというわけではないが、それぞれの曲調をきちんと変えていて、このゲームのジャンル不明感を助長している。歌も声優が歌ってるからどうというものでもないが、曲は悪くないと感じた。
絵。絵は巨乳属性ある人向け。あとInnocent GreyInnocent Greyとしかいいようがない。


ここまでベタ褒めした感があるが、快作以上ではないとも思う。あくまでB級エンタメ。
ただ読んでいて楽しい、エロゲらしいエロゲであり、伏線はきちんと回収した。この3点がきちんと揃っているがゆえの快作。
そして最後の伏線は「そこにつながるのかー!」という楽しさもあって良し。


って書くとまだ褒めてる気もするなー。
笑いは少なかったかな。
下ネタとかパロディは面白くしようとしているがあまり笑えなかった。作品世界の構築には寄与していたかも。「変心」も、もっと笑える使い方がいくらでもあるだろうにあまり面白くなかった。
あと伏線も全部が全部良いわけではないよ。一部読めるよ。それでも全部回収してたよ。>「あなたは人にほめられる立派なことをしたのよ」




・まとめ
良い意味でごった煮エロゲ。ギャグは弱め、エロは濃い。どちらかと言うと伝奇系。伏線の回収に頑張った。ライターの今後に期待。
公式サイト:http://www.takumi-game.com/takumi/top/source.html


ネタばれ考察(というか伏線回収の説明)はこちらを参照:monophobiaさんの「私は私のまま、誰にでも変われる」の感想