『肉体操作』レビュー

『連続>>>レイプ 』『時間封鎖』で着実にファンを掴んだコンビの新作。
結果はシナリオとキャラクターが肩透かしなものの、どんでん返しは前二作を上回る素晴らしいものであった。


概ね感想は出揃っているようだしレビューは軽くします。


前二作に比べ最も弱くなったのはヒロイン陣の抵抗。
『連続>>>レイプ 』『時間封鎖』では身体的であれ精神的であれ非常に主人公に対する抵抗が激しかった。低きに流れないヒロイン自体も魅力的であったし、その抵抗から生まれる主人公とヒロインとの対話がキャラクターの魅力をより増してもいた。
今作ではヒロインに抵抗らしき抵抗は見られない。主人公のキャラクター性も映えない。
そのために『肉体操作』で逆に際立ってしまったのがモブキャラの魅力。
今作では歓声の効果音が多用されていたが、歓声をあげる側であるモブキャラに個性的なのが揃っていた。オークションの生徒やウェイトレスなどである。メインキャラが普通になったためモブキャラが際立ったのだろう。しかしモブキャラであるため描写も少なくキャラが掘り下げられるわけでもない。


大ネタ、どんでん返しは前二作を上回る。
『連続>>>レイプ 』『時間封鎖』では、そのトゥルーエンドにおいて凌辱エロゲから急激なドリフト走行で気持ち良いくらいの方向転換をシナリオにほどこし、感性あふれるセカイ系的どんでん返しを見せてくれた。
そして今作『肉体操作』でもそれは健在。
しかも今度のどんでん返しは大ネタに新奇性があって素晴らしい。
大ネタ以外の基本的な設定も含めて、前二作に比べてネタ自体の面白さは上回っている。ただそれが活きたのが大ネタのどんでん返しだけであったため、どうしても巷の評価が前作前々作よりも厳しくなっているのだろう。
個人的には『肉体操作』はこの最後の素晴らしさだけで激賞するに足る作品であると見る。


・まとめ
センスの迸りは健在。しかし通常エロパートはもったいない出来ではある。
終結部のどんでん返しは一層素晴らしくなっている。
前二作の「キャラクター性」のファンだったなら今作は薦めづらい。「シナリオの感性」のファンだったならおすすめ。


興味を持った方には『時間封鎖』のほうが瑕瑾が少なく薦め易い。ただ作品の突き抜けっぷりは『肉体操作』のほうが上なので今作も悪いものじゃない。


http://www.cellworks.co.jp/all-time/sousa/index.html(ALL-TiME)
http://www.cellworks.co.jp/all-time/timeblock/main.html(ALL-TiME)