4コマ漫画の1ページの構成について(特殊なコマのサイズの4コマ漫画)

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』がとても良い本です。何がいいって、作者ブログで連載している4コマを読んでいてもあらためて読みたいと思わせるほどに、情報が追加されているのです。

本全体でこのスタイルの4コマで、左側の一言(絵)があって読みでがあります。ここまでの本だとは思っていませんでした、うれしいびっくりです。


私は最近エッセイ漫画を読むようになりましたが、エッセイ漫画の4コマはふつうではないです。
“ふつうの4コマ漫画”というとこういう体裁だと思います。1ページに4コマが2本載っているのがふつうです。
(画像は『ゆゆ式』より)

ですが、エッセイ漫画では『ゆゆ式』みたいに“1ページに4コマが2本載っている”という体裁じゃないものが多いです。
「じゃあ、どういう体裁か?」と言われても、本やシリーズによって全然違います。手探りというか、ウェブで掲載された漫画が多くて、それを本にするにあたり出版社ごとに色々読みやすくなるよう工夫しているのでは?という状況に見えます。


そうした手探りにあって『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』が良い例だとしたら、『言うほどじゃないけど』は悪い例ではないでしょうか。

言うほどじゃないけど

言うほどじゃないけど


この本は4コマのみではないのですが、例としてわかりやすいです。内容はさて置いても、1ページの情報量が少ないですね、悲しいです。見やすく作っているからこういう配置というわけでもないでしょう。
横長のコマなので1ページに2つ載せることができないサイズの漫画なわけですが、だからと言って中央にドンと載せてそれだけというのは、一枚絵ならそれでもいいんですが。


悪い例の次は、悪いとは言わないけど、言うなれば成功していない例でしょうか。『同居人の美少女がレズビアンだった件。』という漫画です。

この漫画は4コマの横幅が長くて、私は読んでいて凄く違和感がありました。
1ページに4コマが2本という定着したフォーマットは、コマのサイズ的に情報量が多すぎず少な過ぎずの良いバランスになるから定着したのではないでしょうか。この漫画の横長の4コマは、1ページの情報量という点とコマ内の情報量のバランスのせいか、ふつうの1ページに4コマ2本の体裁の漫画より薄められているように感じました。


4コマのコマ割りについて書かれた記事はいくつもあるようでしたが、上に述べたようなサイズの違う4コマを扱った記事がなさそうなため、ちょっと参照性を高めるために書いておきました。落ちはありません。