エロ漫画よりエロい!"性描写のある"おすすめ一般漫画ランキング【ベスト20】

エロい漫画が好きです。けど、いわゆる"エロ漫画"より、一般向けなのにエロい漫画が好きです。
"エロ漫画よりエロい一般漫画"という視点からまとめた記事は前例がないようなので、私が書きます。
ランキング形式でベスト20まであります。作家1人につき1作品縛りで選びました。
全作品傑作です。どうぞ!




20位 佐伯『BOX!』

BOX!  1巻 (ヤングキングコミックス)
佐伯
少年画報社 (2015-04-10)
売り上げランキング: 52,083
エロ漫画出身の作家による、大学生はっちゃけエロコメディ。同種の作品はたくさんあるけれど、エロとコメディと物語のバランスと水準のどちらも抜きん出ている。エロ漫画に帰ってきてもいいから、もっと新作読ませてください。なお同作家によるエロ漫画『よわよわ』は、エロ漫画としては少女漫画っぽさが濃く、このランキングに載せたいくらいすばらしいです。けど成人向けですからねー。




19位 KUJIRA『ガールズノート』

ガールズノート 1 (ヤングジャンプコミックス)
KUJIRA
集英社 (2015-03-19)
売り上げランキング: 4,014
エロい三姉妹のそれぞれの物語を描いた作品。少女漫画寄りの作家がヤングジャンプでエロ多めに描いた結果、少女漫画の絵柄で青年漫画が読めるという嬉しい作品ができました。1巻は物語としてやや散漫でしたが、2巻で幸せな雰囲気で完結して傑作になりました。異性とどうこうする場面より、ヒロインたちが性に関して自問自答するサービスシーンが多い作品。KUJIRAは他の作品もエロ成分多いので良いですよー。




18位 岸虎次郎『冗談だよ、バカだな』

岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな
岸 虎次郎
太田出版
売り上げランキング: 61,626
洗練された絵柄からスタイリッシュなエロ短編集。スタイリッシュなのでエロ目的で読みにくい面もあるが、すばらしいものはすばらしい。同作家による『オトメの帝国』も傑作です。




17位 松本藍『生きろ!モリタ

26歳童貞M男と女子高生Sの純愛SMギャグ寄り恋物語。ヒロインがいい意味で現実味がない、竹を割ったような勢いのある性格に嫌味のない明るさ。絵柄のエロさは薄いけど、内容の濃さとあいまってちょうどいいバランス。




16位 石田拓実『かわいいかわいい女の子』

かわいい かわいい 女の子 (マーガレットコミックス)
石田 拓実
集英社 (2014-01-24)
売り上げランキング: 90,681
エロ成分多めの少女漫画家である石田拓実の作品中、もっともエロが濃いのが本作。この作品も他の作品も基本的には少女漫画なのに、この作家にはそこら辺の少女漫画とは一線を画する感性が土台にあって、妙な現実っぽい雰囲気が出ているのが魅力。純粋に漫画が上手いというのもある。このランキング中で最も少女漫画らしい作品です。連載中の『トライポロジー』には期待しています。




15位 新田章『あそびあい』

あそびあい(1) (モーニング KC)
新田 章
講談社 (2013-11-22)
売り上げランキング: 8,948
「機会があれば誰だって楽しいことするでしょ?」と言って、ホテル代だけで誰とでもセックスするヒロイン。彼氏ができてもセックスの機会損失はもったいないよね?と考えるヒロイン。衝撃、こんなヒロインが見たかった。全3巻で、すでに完結しています。読んでみてください。




14位 山本中学『繋がる個体』

繋がる個体(1) (モーニング)
山本 中学
講談社 (2015-07-23)
売り上げランキング: 11,147
若い女子といい雰囲気だけど、元カノとモトサヤもあり……と思ったら姉妹丼?!という内容。ほんわかした絵柄で誘惑的な内容なのがすばらしい。登場人物全員とはいかないが、主人公とヒロイン2人がみんな良い人なのが物語自体の雰囲気の良さにつながっています。まだ『繋がる個体』の1〜2巻しか出版していない作家なので、これからさらなる傑作をものすることに期待です。ほとんどセックスまでいかないので、このランキングの中ではエロ要素薄いほう。




13位 渡辺ペコ『にこたま』

にこたま(1) (モーニング KC)
渡辺 ペコ
講談社
売り上げランキング: 64,243
傑作です、読みましょう。「同棲カップル漫画ベスト5」をつくったら、確実にランクインするのが本作。地に足の着いたふわふわ感とでも言いましょうか、同棲カップルが性に翻弄される内容ですね。渡辺ペコは『にこたま』以降の作品も悪くはないんですが、エロと物語の両立、そしてその水準を見ると『にこたま』が5段階くらい抜けているんですよねー。それだけ本作がすごいということでもあります。




12位 犬上すくね『アパルトめいと

アパルトめいと 1 (ジェッツ コミックス)
犬上 すくね
白泉社
売り上げランキング: 9,628
犬上すくね健在、という作品。ファンタジーになると途端につまらなくなくなる作家なんですが、都合の良いカップル日常エロを描かせたら右に出るものはいません。同作家による『恋愛ディストーション』よりも、カップルのおいしいところだけを描いているのが『アパルトめいと』です、物語性は下がりますがエロ純度が高いです。すばらしい作品です。




11位 高野雀『低反発リビドー』

低反発リビドー (ゼノンコミックス)
高野雀
徳間書店 (2015-05-20)
売り上げランキング: 60,219
けっこうエロい処女作『さよならガールフレンド』でデビューした漫画家の第2作は、もっとエロ成分多めでしたヤッター!変形4コマ漫画で、いろいろな性的嗜好を淡々と語り合う短ページ完結オムニバス。淡々と語るからこそ醸成されるエロ、というものをわかってる作品。私は『さよならガールフレンド』より本作のほうが好きです。




10位 武富智『C scene 武富智短編集』

武富智の何が問題って、品切れ重版未定だらけなのが問題……だったんですが、最近は電子書籍で読めるようになりましたヤッター!絵柄も上手い、物語も上手い、エロい、三拍子そろった作家の最新短編集、すばらしくないはずがない。眼力のある顔が特徴の絵柄で、根本的に何もかもが上手い作家です。他作品もすべて同作品に引けをとらない傑作ですが、『The Mark of Watzel』だけは微妙かな。EVIL HEART』も史上稀に見る傑作なんですが、ざんねんなことにエロくないです、いや絵柄はエロいですが……。




9位 位置原光Zアナーキー・イン・ザ・JK』

僕たちはあなたの商業誌デビューを待っていた。早くもっと単行本出してください。基本女子高生がシモネタを話すだけですが、シモネタの出し方が最高峰です。




8位 日暮きのこ『喰う寝るふたり 住むふたり』

喰う寝るふたり 住むふたり  1(ゼノンコミックス)
日暮 キノコ
徳間書店 (2012-11-20)
売り上げランキング: 24,141
傑作同棲カップル漫画として有名ですね。長期間付き合っているカップルのセックスレスを描いています。作品全体がエロいとまではいかないのですが、こういう生活の中にあるエロというのは貴重。漫画自体がおもしろいのに、そこにエロが溶け込んでいるのがすばらしさですね。同作家による『モンクロチョウ』はエロ描写がっつりたっぷりなんですが、露悪的なだけでおもしろみに欠くんですよねー。




7位 阿仁谷ユイジ『阿仁谷ユイジ短編集 イタイほどかわいい』

BL漫画で有名っぽい(BLは詳しくないのでわからない)阿仁谷ユイジによるNL短編集。阿仁谷ユイジに限らないんですが、BL作家って蕩け顔が上手いんですよね。そしてこの短編集は、そういったBL作家の特質が最も活かされた作品です。純粋な絵のエロさという観点では、横槍メンゴと阿仁谷ユイジが双璧。めちゃエロい上に、女性の描写が極まってます。




6位 御徒町鳩『堀居姉妹の五月』

堀居姉妹の五月(1) (KCx)
御徒町
講談社 (2015-06-05)
売り上げランキング: 34,134
今一番期待しているシリーズ。エロ濃い目の純愛作品としてこれ以上ないすばらしさ。あまりに理想的すぎて、このすばらしさを説明する言葉を私は持ちません。セックス描写が多く、ピロートークも多い作品です。同作家による『ファンタジー』もすばらしいです、こちらはおじさんと女子高生の純愛。必読。どちらの作品も、ド定番から少し外したカップルを描いているのが良い。




5位 雁須磨子『あたたかい肩』

エロ成分濃い短編漫画の名手で雁須磨子。内容のエロさ、すばらしさ、多作さにおいて、二宮ひかる雁須磨子が双璧ですね。絵柄が絶妙でたまにハズレもありますが、基本どの作品もすばらしいです。場面の切り出し方、言葉の選び方など、感性が他と一線を画しています。中でも本作はすばらしいのでおすすめ。何も考えず既刊すべて買ってもいい作家のひとりと言いたいけれど、BLもたくさん出しているので好みに合わせてどうぞ。




4位 横槍メンゴクズの本懐

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)
横槍 メンゴ
スクウェア・エニックス (2013-02-19)
売り上げランキング: 26,642
ランキングに載せる必要ないくらい有名、しかしこの水準でエロい一般漫画は他にないので掲載。一般漫画で最もエロい絵を描くのは横槍メンゴだし、最高水準にエロい物語を描くのも横槍メンゴ




3位 鳥飼茜『先生の白い嘘』

先生の白い嘘(1) (モーニング KC)
鳥飼 茜
講談社 (2014-02-21)
売り上げランキング: 5,018
現在最も新刊が期待できる作家、新刊出たら有無をいわさず買う作家、同時代で読めることをよろこびたい作家が鳥飼茜。そして『先生の白い嘘』。これはやばい。すべてのエロ漫画も含めてランキングをつけたとき、最高のレイプ描写をしている作品の第1位は『先生の白い嘘』です。"女の欲"というものを描いている作品。このランキング記事から1作品だけおすすめするなら『先生の白い嘘』です。男女間のレイプとは何か問いなおす最高傑作。レイプによる歪みと性欲、裸とセックス多め、あけすけな性描写……この作品だけでも読んでほしいです。連載佳境の『おんなのいえ』もエロ成分濃い傑作。




2位 シモダアサミ『mon*mon』

mon*mon (Fx COMICS)
mon*mon (Fx COMICS)
posted with amazlet at 15.10.20
シモダアサミ
太田出版
売り上げランキング: 61,832
淡々とした絵柄から繰り出されるエロ。私はこれが読みたかった……。デビュー作で完成しているレベルです。何度読んでもヒロインにふんどし履かせたのはすごすぎます。『中学性日記』はおもしろいしエロ要素濃いものの、性をネタにしたライトなエロコメディといった内容。待望の新刊『こんな私はだめですか?』が『mon*mon』に似た内容の作品となっています。




1位 二宮ひかる『アイであそぶ。 二宮ひかる作品集』

アイであそぶ。―二宮ひかる作品集
二宮 ひかる
白泉社
売り上げランキング: 74,338
セックスシーンだけで物語を描ける作家、それが二宮ひかる。そんな作家そうそういないし、その能力を活かしてエロい物語をたくさん描いているのは二宮ひかるしかいません。ストーリー漫画よりは短編集、より凄みが発揮されてます。性描写に構えたところが全くなく、浸り過ぎないモノローグの雄弁なこと。他の作家が同じ話を書いたらエロくない一発ネタのアダルトジョークにしかならないような題材を、少ないページ数でほとんどセックス描写だけなのに、心を穿つ物語にしてしまいます。新刊たくさん出てるのでうれいしです、あとは『二宮ひかるオールコレクション』を再販してくれれば……。




以上になります。
有名すぎる作品やエロと物語が水準に及ばない微妙な作品は削った上でのベスト20です。
エロはいいですよ!参考になればさいわいです。