エロクラに『フラテルニテ』を追加/「仰げば尊し」に関連して


エロゲのクラシックに『フラテルニテ』を追加しました。シューマン作曲「子供の情景 第1曲」と「仰げば尊し」です、公式サイトのムービーで確認できるので見ると良いかもしれません。
子供の情景について、原画家の人が「選曲過程は秘密」と書いておりそれ自体はさておき、原画家が選曲に関わっていたの?という点がやや興味深いです。


さて「仰げば尊し」について。
考えをまとめていないのですが、問題としたいのは「「仰げば尊し」が学校の情景を思い起こさせる曲として機能しているのか?」という点。


最近は「仰げば尊し」を卒業式で歌わないという話もある。そもそも「仰げば尊し」を歌う・歌ったのは小学校?中学校?高校?という点、つまりゲームで「仰げば尊し」を聞かせてどの場面を想起させたいのか。
エロゲ以外でも定番でエロゲでも結構使用されている「仰げば尊し」。製作者の年代で一般的だったから使用されているが、現在20才前後の人などでは一般的でない可能性は?


よしんば「仰げば尊し」が歌われていたとしても、「仰げば尊し」がどれほど印象的な曲であるのか?卒業式で歌われる曲というのはつまり卒業式でしか歌われない曲、卒業式で1度歌ったきりの曲と同義ではないのか?
学校生活において普段から耳にしていた音・音楽という観点からは、ウェストミンスターチャイムがエロゲその他で使用されるのは納得がいく。チャイムの音は毎日聞いていたことだろう。しかし「仰げば尊し」は、おそらく違う。
卒業式の歌として他にあげられる「蛍の光」についてはひとつの場面が思い浮かぶ。下校時の音楽、チャイム代わりとしての使用だ。学校でなく何かしらの営業終了の音楽としてもよく耳にするが、そういう日常的な使用がありそうだ。


そうやって考えて、では学校生活における日常的な音風景をBGMや効果音として使用するべきでは、と考えると、思い浮かぶのは休み時間の雑踏音というか騒ぎ立てるような声だろうか。しかし確かに、子供(小学生、中学生、高校生)が大人数しゃべっており、そこに大人の声など他の騒音(電車の音など)が混じっていないという雑音は、学校以外ではあまりない。
音楽を使用したいとなると、やはり「仰げば尊し」が出てきてしまうのはしょうがないところかもしれないが、「仰げば尊し」に近い曲調であれば他の曲でも意外と代替可能なのではという印象がある。…「ふるさと」とか?


こういう意味でのもうひとつの定番は国歌だと思うけれど、使用例を見たことがないのは自主規制だろうか、それとも普通にだめなのだろうか。替え歌などでそれ自体に矛先を向けるのでなければ、あまり問題があるようには思えないし、色々な文脈とか曲調とか踏まえても使いどころの多い曲ではあるはずだが。
あとは「さくら」。これの使用例が少ないのもちょっともったいない感じ。きれいどころの曲としては良かろうに。
こうして考えていくと「夕焼け小焼け」と「花いちもんめ」を使用している『R.U.R.U.R』の目の付け所がすばらしいように思える。それと『はるまで、くるる。』の「春よ来い」。耳馴染みがあって、小学校あたりを想起させる選曲としては、これらのほうが個人的にはしっくりくる。あとは「通りゃんせ」とかそういうのに向いてる曲だろうに。あと「グリーングリーン」。