『Skyprythem』の音楽関連

大したものではないがエロクラに『Skyprythem』追加しました。
で、覚えているうちに『Skyprythem』のクラシック要素について一応書き散らしておこうかと。
ややネタを割るのでご注意。




一番の問題はラヴェル。作中のピアノ弾きキャラがラヴェルの「オンディーヌ」を弾いているシーンが出てくるのだが、そこのBGMがオリジナル楽曲なのに違和感が大きかった。他人の目があると緊張してピアノが弾けなくなるヒロインで、ヒロイン一人なら問題なく弾けるため練習していたそのラヴェルを聴いて目の前で弾くよう要請するが、いざ弾き出すとすぐに弾けなくなってしまうというシーン。この「弾き出す→手が止まる」場面のBGMで「オリジナルピアノBGMが流れる→止まる」をしたのはどういう意図だと言うのか。実際にラヴェルの曲を用いるか、さもなくば「ラヴェル」という固有名詞を出さなければ違和感も減ろうに、わざわざかち合わせるのだからなあ。ちょうど似たような場面における演出が『パルフェ』の由飛ルートで上手く処理されていた(短い音源のループ処理であるけれども、エオリアン・ハープの同じ箇所で間違えて繰り返しまくっておかしくなっているヒロイン、という場面をその機械的なループが際立たせるような感じで良かった)だけに。
シューベルトの野ばら冒頭2小節をヒロイン(CV:榊原ゆい)が歌うが、むしろそれだけで良かったというか何というか。鼻歌レベルだから野暮な突っ込みはなしよ、だろうが。プレイ前は、榊原ゆいの歌がフューチャリングされていたらどうしようと思ったがそれはなかった。ちなみに歌は3曲全部茶太。体験版でも確認できる部分だが、ヒロインがCDに合わせて歌って練習しているという描写があって、どうだろう。読むたびに気になってしまって。言える範囲で言えば、CD再生の音量調節はたいへんだろう、とか。
どっかで一度フィンジの名前が出てきた気がするが、フィンジの歌曲ってどれを指していたのかわからなかった。
音楽描写はとくにピンときたところはなかったが、それがこの作品の主眼ではなかったのだろう。クラシックでなくバンド方面にシナリオが傾くかとも想像していたが、そういうこともなく。しかしなんだろう、音楽シーンは思い返せばある程度の量を割いているのに印象としては音楽は添え物だ。ならば何がメインかと考えて思いつかない。メインがなかったとでも言うのか。