「キンコンカンコン」のチャイムの音について考えてみた

『七つのふしぎの終わるとき』の体験版をやってたんです。そしたらなんか作中で使われているチャイムの効果音が妙に気になって…。その流れでこの記事を書きます。



「キンコンカンコン」のチャイムがあります。
あの有名なメロディーはウェストミンスター・チャイムと言いますが、みなさんご存じのように全国の小・中・高等学校でチャイムの音として多く使用されています。「キンコンカンコン」の音といえば学校というイメージはごく一般的でしょう。そのせいか学園物エロゲでは「キンコンカンコン」の効果音がすごく頻繁に使用されています。
……ここまでは一般的な話ですね。


では本題。
「これまでエロゲではキンコンカンコンの効果音が学園物では当然であり必須かのように使用されてきたけど、少し考え直すべきではないか?」というのが今回の話です。
この記事ではエロゲにおけるキンコンカンコンの効果音が再考されるべき原因を3つにまとめてみました。




1.チャイムの音はウェストミンスター・チャイムだけではない
ウェストミンスター・チャイムが一般的ですが、そうでないチャイム音もめずらしくありません。



郷愁を誘う音楽にはけっこう種類があるようです。


2.ウェストミンスター・チャイムをそのまま流すと長すぎて情景描写と食い違う
一般的なチャイムの音は長いです、その通りに流すと20秒くらいはあります。音声が流れている場面なら良いですが地の文の描写であれば20秒もあったら授業が3回は始まって終わってしまいます。それほどウェストミンスター・チャイムの音は長いのに、長いまま効果音として使っている作品が多くあります。結果として、どの場面においても効果音は最後まで聞くことなくぶつ切りになる・場面が転換してるのにチャイムの効果音が流れ続ける、といった何とも言えないことになっているエロゲも珍しくないです。


3.チャイムの”音”がコレジャナイ
私も記事を書いている過程で気づいて納得したのですが、学校のチャイムの音は多様ではありません。というのも考えてみれば当然です、学校で流すチャイムの音は「メーカー品」です。どこそこのメーカーの機械を使用している学校ではあのチャイムの音、じゃなければあの音という感じです。


決まった機械から流れる音だからこそどこへ行っても同じような音(というよりも全く同じ音)を聞いているため耳に残っています。つまり、学校のチャイムは”メロディー”が同じという面もありますが”音色”や”音質”といった面も大きいかと思います。そこを考えずにウェストミンスター・チャイムのメロディーだけをなぞってシンセで打ち込んだような効果音、これは納得がいきません。今回『七つのふしぎの終わるとき』の効果音にはこのケースの違和感を覚えました。




以上です。
効果音としてのチャイムの音を使用する際には上述の3通りの可能性にのいずれにも気を配っていてほしいです。ただ全部考慮してチャイムの効果音を使用するのは手間のかかることだと思います。
・・・・・・つまりチャイムの音は効果音としてぽんぽん使うにはむずかしいものなんじゃないのか、というのが私の見解です。
あくまで個人的にですが、チャイムの効果音があって違和感を感じたことは何度もありますが、チャイムの効果音がなくて違和感を感じたことは一度もありません。




竹田の新作ということで『七つのふしぎの終わるとき』のシナリオに期待したいと思います。