グルメエロゲを夢想する


読んでいて辛い料理・食事描写は多い。料理が壊滅的に下手なヒロインを筆頭に、味音痴もいれば激辛激甘好き。そうした料理を食べて言下に辛辣な否定をする主人公も見ていて辛い。
もっとシンプルに、おいしそうな料理、おいしそうな食事が見たいとは思う。


食事描写がおいしそうなエロゲというのはたまにある。Fateパルフェなんかが有名どころだろう。
じゃあもっと食事描写がおいしそうなエロゲが増えれば満足なのか?・・・ここが違っていた。食事がおいしそうな描写だなんてわざわざ遠回りなことを考えるから遠ざかっていた、直球に考えればいい。グルメなエロゲがあれば良いじゃないか。


グルメなエロゲ。グルメエロゲ。
・・・グルメ漫画は多い。グルメ漫画ができるのだからグルメエロゲだってできないことはないのではないか。
料理店が舞台のエロゲはいくつもある。ただそういったのは料理店が舞台ではあるもののグルメエロゲとまで言うようなものはなかった気がする。もっと、ヒロイン全部が異なった料理分野のキャラだったりすればグルメエロゲは可能だろうか。洋食屋の娘、フレンチの見習い、グルマンなお嬢様、B級好きな大食いっこ、そうしたヒロインを取りそろえればあるいはグルメエロゲに。


そもそもおいしそうなエロゲとグルメエロゲをどこで分けているのか。グルメ漫画のことを思い浮かべながら考えた。再現、かもしれない。
単においしそうな描写があるのとグルメ○○を峻別しているのは「出てくる料理を再現できる・再現したくなるかどうか」ではないだろうか。
漫画の料理を再現している人は数多い。エロゲはない、気がして少しググったら一人。数はきっと少ないと思う、たぶん。
料理を再現できるかどうかの壁はレシピがあるか、あるいは詳細な料理描写があるかどうか。グルメエロゲを考えたときに料理店が舞台で料理人がヒロインなだけでは必ずしもグルメ○○な感は出ないはず。料理が魅力的であるかどうかでなく、料理が詳細であるかどうかが大きい気がする。つまり再現できるかどうか。
料理が魅力的だけど詳細じゃなくて再現性が低い漫画について例が思い浮かばない。なので例えば戯画のパルフェパルフェは料理がとてもおいしそうだったけど個人的にはグルメエロゲには分類できない。それはきっと、オムライスの作り方が分からなかったからであり、プリンのレシピが解説されなかったからであり、カントリー風なケーキや繊細な和菓子の調理過程に材料と分量がなかったから。そしてパルフェの料理が再現できないから。
食事がおいしそうというだけではグルメ○○ではない、というのはドラえもんでもなんでも枚挙に暇がないはず。仮にアンパンマンのパン生地とあんこが毎回異なっていて相手に合わせたおいしさであったなら、それはグルメ○○だっただろうか。
Kanonをプレイした後にたいやきを食べたことはあったけどグルメエロゲではなかった。
ただし具体的な料理店を挙げての食事描写は、そこに食べに行くという再現が可能になるからこそグルメ○○に収まる・・・のかなあ。


再現は、料理に限らず色々ある。
一番多いのはコスプレだろう。舞台探訪も再現の一種だし、楽器や道具、曲にダンス。
当ブログで扱っているクラシック音楽もそうだろう。
クラシック音楽のエロゲという区分を考えるのに一番便利で的確なのは既存のクラシック音楽が流れるかどうかで判断することだった。クラシック音楽が題材となっているけれどクラシック音楽のエロゲとは区分できないエロゲはとても多い。演奏がどうだとだけ描写されても再現はきっと困難であるけど、クラシック音楽が流れるならプレイ後に自身の手で再現できる、からだろうか。


夢想するなら。
エロゲをプレイしつつ、おいしそうな料理が出てきて、今日の晩ご飯はこれを作ってみよう、ということが起きたなら、それはグルメエロゲだろうなあ。