マーラー:さすらう若人の歌、若き日の歌、リュッケルト歌曲集/ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ/カール・エンゲル(BBC BBCL4035-2)



B+


好演。


ピアノ伴奏によるマーラーの歌曲集。1970年のライブ録音。
フィッシャー=ディースカウの「さすらう若人の歌」はフルトヴェングラーのやつに尽きるという人も多いかと想像するが、私はこちらの盤のほうを頻繁に聴き返している。
ピアノ伴奏の歌曲が好きだからというのも大きいのだが、フルトヴェングラーのやつが瑕瑾の見えない絶対的な趣なのに比べ、このCDは人間味を覚えるような近づきやすさを持っていて且つ翫味に足る懐の深さもある良い演奏。ライブの良さがよく表れている内容で「さすらう若人の歌」の第3曲に入るあたりの、客席がざわついているのにも関わらず激しく演奏を開始するあたりはCDで聴いていても引き込まれる。拍手とか咳とか多く入っているのでライブ録音苦手な人は合わないかと思う。


このCDはもう幾度となく聴いていて個人的には今更レビュー書くまでもないほどなのだが、ディースカウとバレンボイムによるピアノ伴奏のマーラー・リサイタルが出たというのを見て思い出したので書きました。ライブ録音が好きな人にはおすすめ。