JON VICKERS IN RECITAL 1974(CBC Records PSCD 2024)

My Song Resounds

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Naxos Music Library


A−


すばらしい。声の使い方が柔らかく、ふっと小さく優しく歌う時に特に良い味を出している。


ジョン・ヴィッカーズの1974のライブ録音。ピアノ伴奏はRichard Woitach。
ライブ録音らしい歌いっぷりでライブらしい良さと傷がありそして素晴らしい、というまあ見本のようなCD。
ヴィッカーズはよく空間を持った声の響きを柔軟にかつ大胆に用いて歌っている。カナダ人のテノールであるが、英語圏テノール特有の硬さとか篭った感じとかのない、非常に好感の持てる響きのテノール
演奏は、特にパーセルベートーヴェン、ヴォーン=ウィリアムズの出来が良い。中では「遥かなる恋人に寄す」が特に素晴らしい。最後の最後でフレーズの展開を間違え、歌の締めがいかにも間違えてごまかしましたーというふうになっているのが残念ながらも、全体通して見てみるとヴィッカーズの巧みなsotto voceが効果的に使われたたいへん良い演奏。ピアノも良い。スカルラッティの演奏は他よりもやや落ちる。これのみイタリア語だからかもしれない


試聴して一目ぼれ的に買ったが、やはり良い発声。おすすめ。