エリザベート・シューマン/歌曲リサイタル (symposium)

New York 1950 / South Africa 1951

New York 1950 / South Africa 1951

(SYMPCD 1339)


B


エリザベートシューマンの1950年1951年の2種のライブ。前者の伴奏はブルーノ・ワルター


呼吸感のある演奏。
ソプラノという声種のみが備え得る声の響きの一種とあいまって得難い内容。
シューマンの年齢を考えると62,3歳での録音となるが、特に高音域の音色はやはり素晴らしく、翼が生えたよう歌声。ただ低音域では声がほつれることもしばしばで、その点は声に老いを感じさせるかもしれない。とまれ、シューマンの持ち味である高音の可憐さと歌心は聴き手の期待を裏切らないだろう。
お気にはヴォルフ作曲「In dem Schatten meiner Locken 」。前者の録音ではアンコールで、そして後者の録音にも収録されているが、良い。芸術的高みに至った音楽は時に厳しさのようなものを備えて、ある種近寄りがたい雰囲気の演奏になったりするが、シューマンの歌は近くあり、しかし過度に親しくはなく。個人的にはヒュッシュやハイフェッツを思い浮かべるかな。