『R.U.R.U.R〜ル・ル・ル・ル〜 このこのために、せめてきれいな星空を』 感想  のはずがエロゲ音楽とボーカルについて

ようやく、ようやくR.U.R.U.Rが終わった。途中3回くらい積んだからやたら時間がかかった。
シナリオも十分楽しめるが、作品世界観から派生する諸々の日常こそが面白かった。
ただシナリオの構成が全編において3歩進んで2歩下がるので、文章に問題ないわりに遅々としたプレイ感があった。だが意図的な構成なのでそれ自体ゲームの雰囲気作りに役立ってもいる。
また作中で色々引用があったのだが、長めな上繰り返し引用されるのがくどいとまでいかずとも余計遅々とさせるものだった。なおこの多くの引用に関してはあまり効果的だったとは思わない。引用とは別にモチーフとか名前を借りてきたりもしているが、そちらは詳しくないので。


・本論
このゲームは音楽が目を引いた。
というのも、主題歌とは別にBGM楽曲のいくつかにボーカルが入っているのだ。
その曲のつくりは単なるボーカル曲のBGM(例:AIRの青空)ではなく、歌を前面に出さなく比較的声を楽器のように扱っている。
ちょっとくらいなら他でもあったような気もするが、「R.U.R.U.R」はBGMの3分の1くらいの曲と数が多く、おそらくエロゲには例がない。
他のゲームで思いつくのはNitro+サバト鍋所蔵「竜†恋」で男の声でモエモエ言ってる曲があったくらいか。あの声は掛け声寄りだったが。


こういう曲でのボーカルを普通の主題歌などのボーカルと同列に考えてはいけない。
主題歌などは文字通り歌がメインでありその責任は大きい。比してボーカル入りBGMとは楽器とボーカルの立ち位置が近く、ボーカルの責任が小さい。
それを踏まえ「R.U.R.U.R」のBGMに参加しているボーカルを聴く。
すると、ボーカル入りBGMはどれもよくまとまって良い雰囲気の曲だが、ボーカル単体で見ると微妙(そもそも声が出せていない)。つまりこのボーカルは、所謂普通の歌で聴くとあまり好ましくない評価になろう。ところがBGMの楽器の一つというような役割であった今回、声が出ていないという歌において致命的な点はあまり関係ない「雰囲気作りの声」というような使い方で上手くいっていると思われる。


声が入った曲というとどうしても歌になりやすいが、曲という音楽をトータルデザインのように考えると、ボーカルの扱い方は多様になろう。ポップミュージックだと案外そういうのは珍しくないはず。可愛い声の女の子が囁いているだけのような曲とか一杯あるだろうし、その声は歌声というよりは別のくくりで考えるものだろう。
エロゲにおいてだって、声優が元気良く滑舌よく喋っているオープニング曲なんかいくらでもある。ああいう手法をちょっとBGMに取り入れるだけで音楽が一段とよくなるだろうに。


・まとめ
ちょっと捻るだけで多様性を増すBGM。
「R.U.R.U.R」の音楽はボーカルで目新しさがあった。
ゲーム音楽がより幅広く面白く、何より音楽としていものになりますように。





ネタばれがどうという作品ではないのだが、その世界観がユニークなので前情報のなく味わってほしい。
が、その上で幾分ネタを割った紹介というなら
http://blog.goo.ne.jp/kamimagi/e/6e7935c7cc688fa9ea227255efa7a914
ここのが端的。
あとは元ネタ集とか。
erog @ ウィキ R.U.R.U.R  元ネタ