「世界ノ全テ」の音楽感想+BGMは環境音

世界ノ全テ -remind of you-」をプレイ中。
まだ序盤だが音楽について少し書く。


このゲームの音楽は良いと方々で言われている。
私も基本的にはどれも良い(ボーカルについては微妙)と思う。
それぞれの曲は雰囲気あって聴かせる出来、曲数も多い。

しかし使い方が悪い。
というのも、
1シーンが短い+シーン暗転でピアノでのワンフレーズが入る⇒曲が細切れ
でなのある。
具体的に言うと、就寝前の短いシーン(数クリック)→暗転→登校(数クリック)→暗転→放課後選択肢画面→ヒロイン、という風にころころBGMが変わる。
しかも曲数が多いおかげで、暗転以外のBGMが全部異なる。
落ち着いてゲームも出来やしない。


ここまで「世界ノ全テ -remind of you-」感想


ここからエロゲー音楽全般


エロゲは基本的にBGMがかかりっぱなしだ。
またエロゲのプレイ時間は一概には言えないが、10〜20時間くらい。もっと長いゲームも多い。
最近のゲームはBGMが多い印象もあるが、それだけのボリュームがあるのだ、必然どのゲームも同じ曲を繰り返し使うことになる。
また曲数をいくら増やしたって、決め所で新しい曲を使いたいはずなので、分量の多い日常シーンにしわ寄せが来て、同じ曲をループで聴く羽目になる。

さて、同じ曲を延々聴かなければならないわけだが、その快不快には曲の出来以外の要素もあると考える。
トリップ感とでも言おうか。
人は同じ曲を繰り返し聴き続けるのは存外厭わない。
ここの説明(或いは説得)が微妙だが、まあ例をあげれば、ミニマルミュージックでもでもニコニコ動画の繰り返し再生でもパソコンや冷蔵庫や室外機といった家電の環境音でも。
聴き続けて耳が慣れ、無意識に追いやられた音が存在する。
その無意識の音があるということ自体が快いものである。

無音が不快で沈黙が快いというか。

これと同じ理屈でエロゲのBGMを解釈する。
同じ曲を繰り返し聴かせざるを得ないという状況を逆手にとってゲームはつくられている。
延々繰り返される曲がそのゲームの環境音となり、ゲーム世界への没入感を生み出す。

まとめると、ゲームのBGMは聞き飽きたころから環境音として真価が発揮されるので、あまりコロコロ曲が変わるとゲームにのめり込みにくくて微妙だ、という。