ヒンデミット:ヴァイオリンソナタまとめ

目を付けたのを一通り聴いたのでまとめ。




ヒンデミット:ヴァイオリンソナタ


シュナイダーハン/ゼーマン(POCG-90183)
最高。
曲のポテンシャルを8割近く引き出しているのではないかという驚異的な完成度。
これ以上の演奏はそう期待できない。
キレにキレてる上に情感がある。
第2番のみの録音というのが非常に残念。


カガン/リヒテル(LCL161)
ピアノは相当に、ヴァイオリンは中々良い。
op11-1のピアノは特に凄い。
ただ重厚長大な曲作りの傾向(重よりも長の傾向が強い)があって、その解釈があまり効果的でないものもあり、一部は素晴らしいが全曲が、というわけではない。


パールマン/ガーヴィー(Perlman Rediscovered内:82876.62516)
op11-1のみ。
パールマンは上手いだけという印象で評価していなかったが、このCDはそんなことはなかった。
耳なじみは良いがつまらないということもない。
減点法で採点すると高得点になるような演奏。
しかし加点法だと微妙。悪いとは決して言えない。
上手いんだが、いっそのこともっと下手なほうが良いんでないかという感じ。
BGMとして聴くならベスト。


ヴァリン(Wallin)/ペンティネン(Pontinen) (BIS761)
悪くはない。
迫力は薄め。
ちゃんと作り込もうとはしている演奏。
そのお蔭で、前述のカガン/リヒテルの緻密だけど長大な解釈で抜け落ちている曲の良さを、きちんと拾えていたりする。