『魔法使いの夜』感想(ネタバレ)


とりあえずの感想として全体の体裁を整えずに思いつくまま個別に書いていきます。


・エンディングの歌の入りの部分はメロディーラインの動きも歌い回しもせわしなくてその前の雰囲気からちょっとずれていてあーっとなった。楽曲が盛がってからはこんなもん。


・エンディング終了時にオルゴールを巻くゼンマイの音→オルゴールのBGM→オルゴールが止まる、という流れが、なんで他のエロゲで見かけた記憶がないのか不思議なくらいな演出。オルゴールを使うBGMがエロゲで典型的であるのになんでこの演出がなかったのか。オルゴールのゼンマイがきれて曲がゆっくりになって止まる、ほかにあったかしら。
ただし『魔法使いの夜』はオルゴールが出てくる話ではないのでそこら辺、オルゴールを巻くゼンマイを効果音が逆になんで?となってる感はある。


・オルゴール曲がED曲のアレンジというのもおもしろい。ED曲に有名で人気っぽい人の曲を使っているけど、エピローグがオルゴール曲というのはエロゲの定番で、定番にくる曲がED曲で、つまり今時人気の曲はエロゲのオルゴール曲と似通っているのだろうか?


・ちょっとスタッフロールを見返してたけど、やっぱり歌の最初のしっとりした部分では表示されるスタッフ名もその後の上昇するものとは違って動かないから、この部分にいかにもED的な勢いのある歌のメイン部分に入る前の意図的なステップが作られているはずで、それにしてはちょっと歌が単体で聞くとうげっとなるようなせわしなさというか落ち着きのなさがある。


・ありすと青子が雪の上を歩く効果音(たしかベオウルフ戦の前)と青子と草十郎が雪の上を歩く効果音(実家へ帰るとき)が違っていた気がする。そんなところを使い分けるのがすごい。気づいたのがこれであって、他に気づいてない細かい効果音の使い分けがありそうな気がする。


・どの場面だったか忘れたけど、電車に乗っている際の背景の車窓の景色?みたいな演出がある場面で、手前のものは素早く通り過ぎ、遠くのものはゆっくり通り過ぎてる!
エロゲでは電車に乗っているシーンがけっこう多くて、その際背景の絵が流れるけど一枚絵が横に動くだけの不自然なものが多い気がする。たしか『素晴らしき日々』がそういう不自然な演出をやっていたはず。電車の車窓の光景であるのに近くの電柱やなんかと遠くのビルとかが同じ速度で流れている演出は違和感いちじるしい。んだが、『魔法使いの夜』はそこらへんちがった、けどこれってどれだけ手間がかかるのだろうか、すごい。


・今見返そうとして気づいたけど、起動時のブランドロゴが表示されるときに、文字の中に浮かび上がる模様はこれ青子の魔方陣か?!いやはや。


・シナリオ本編でギャグ部分が過去作と比べて少ないのはシナリオが全年齢であることに通じるシナリオの側面やそもそもの物語の内容から来るものだろうか。


・音楽は悪いというものではなかったけど、曲自体とかでもっとやりようがというのはあるかなあ。


・スタッフロールを見返そうと最後の部分をスキップしていたが、本編最後の場面のBGM「きみのはなし」という曲名のやつだけど、ここでちゃんと主題変奏型のBGMを使っているんだから、『魔法使いの夜』のBGMのメインはメインテーマと書いてある曲の主題変奏がメインだよなあ。となるとこの主題が微妙なところに問題は回帰する。主題が微妙なら主題変奏も微妙だもんな。しかしおもしろいことにメインテーマに歌詞をつけた曲は使っていない!これがKeyならED曲はメインテーマのボーカルアレンジだった。ただ、今回の『魔法使いの夜』の場合はボーカルを付与した主題変奏を使ってもよかったかもしれない。メインテーマの曲がいかにもいかにもな灰汁の少ない曲なので、ボーカルつけるくらいしてばりばりメインテーマを押していったら盛り上がりは出たかも・・・あーでも、ジムノペディ1番を多用したことあたりを思うと、そういうBGMを押し出すのをやりたくなかったからこそボーカルアレンジの不使用なのかも。でもメインテーマの曲自体はもっとやりようがあったはず。


・BGMの曲名でいうと「いつまでも君と」みたいな曲を聴くと良い意味でTYPEMOONだなあという気になるなあ。


・プレイしていてこれは・・・と思ってしまうような浮いた曲というのはなかったのでそういう点では『Rewrite』より良かったな。ただ曲名でいうと「絢爛/finality」という曲はぎりぎり。冒頭のシンセのコーラスの音色からの使い方と拍動感が噛み合っていないんだろうか。こういう最終決戦系のBGMで上手いというのはエロゲでは少ない気がする。家庭用RPGとかだと最終決戦こそ良いBGMというのが多いようにも思うけど得意分野の差があるのだろうか。


・会社が会社なら青子がギターを弾いたという名目のバンドCDが売り出されるところだな。


・とりあえず冒頭部から見ているが、第1章の雨音の効果音は屋外と屋内で音の大きさだけじゃなくて音の質も変えてるなあ。でも青子が傘をさしている時に傘の雨がぶつかる音とか使ってるかと思ったらそれはなかった。


Fateのときは立ち絵芸という感じだったけど今回は立ち絵芸というよりはカメラ芸みたいな感じだったなあ。Fateのときにたくさんあった立ち絵がひょこひょこ動くというのはほとんどなかったような。代わりに見切れている立ち絵と単色に塗りつぶされて影絵のようになった立ち絵の2種類が多かった印象がある。


・スタッフロールにちゃんとクラシック曲の引用が明記されている!

助かるというのもあるけど、しっかりしてるなあという。なんだけど、BGM鑑賞モードで引用している曲を聞くとComposer:-----というふうにスタッフ名が書かれているんだが、こういうのもcomposerなのだろうか。



なお本編クリアのみ、サブシナリオはまだいっさい触っていません。


なにか思いついたらこの下に追記
・EDの歌は聞いていて比較的歌詞が頭に入らないタイプの曲だと思うけど、曲の最後の部分曲調がゆったりしてからのbelieve,believeという歌詞が急にわかりやすく聴けるので、『魔法使いの夜』ってなにかbelieveという言葉が象徴的だったっけと考えてしまった。