「名前=鳴き声」のアテレコの出自は?

『Panty&Stocking with Garterbelt』を見ている。16話、17話がいつもながら良い。16話の5:00くらいの時点でBGMが変わるが、その変わったBGMのイントロとパンティのハンドサインのタイミングが合致しているのが曲の入りとして気持ちが良い。その後5:23秒あたりでBGMがサビに入るところ、直前にストッキングの「あぁっ!」という軽い悲鳴がサビに入るステップとして良い感じのタイミングでこちらも良い。このBGMの場面は曲入りとサビ入りの部分が上に書いたようにきっちり嵌っているせいか過剰な盛り上がりを見せるわけでもないが見ていて後を引く。


で、16話のファスナーの声はいつもながら愛嬌があって好ましい。ファスナーは見た目がファスナーで鳴き声も「ファスナー」。こういった「名前=鳴き声」はいったいいつからあるのだろうか?ぱっと思いつくのはポケモンのアニメ。それ以前のアニメでは私は知らない。アニメ以外を考えれば、そもそも鳥などの動物でも鳴き声に基づいて名付けられたものは珍しくないということを思い出す。動物の名前の名付けられ方は、鳴き声、見た目、動作などの特徴によって名付けられるか類縁の動物の名前のアレンジといったのだけで網羅できるのだろうか。標準和名とかでググったり。ポケモンについても同じようなことを考えている人はいるみたいだ。鳴き声から名付けられたものと見た目などから名付けられたものだろうか。アニメのキャラの声が名前と同じというのはポケモンで衝撃を受けたような気がするが考えてみれば鳴き声の選択として当然な気もする。じゃあ今までのアニメはどうだったのだろうか。ディズニーなんかを思い返しても名前=鳴き声はいない気がする。だが古いアニメでも言語音を話す動物と言語音を話せない動物は両方いた。……古いアニメでも「名前=鳴き声」の動物のアテレコは、実際の動物の鳴き声の録音を用いて行っているものならありそうな気がする。…あー、ゲームだとヨッシーみたいな例があるなあ。
ポケモンなりファスナーなりのアテレコは声優、人間。「名前=鳴き声」の動物は、言語音を話す動物と言語音を話さない動物の間と言えるだろうか?「名前=鳴き声」はつまり鳴き声が言語音であるが意味を持たない言語音である。中間的だ。「名前=鳴き声」のキャラもそうじゃない鳴き声のキャラも声優がアテレコしている場合には、鳴き声に感情表現が入ることは変わらない。人が「名前=鳴き声」の動物の鳴き声を出していると、鳴き声を模倣しているだけで鳴き声には聞こえにくい気がする。鳴き声はあくまで人の声ではなくつまり言語音ではないのだから鳴き声を言語音で出していたらそれは人の声だ。動物の鳴き声は言語音でなく、言語音でない鳴き声を聞いた人が言語音で理解するというプロセスを経ないと。だがポケモンなりファスナーなりの声優のアテレコが言語音的な演技でないから受け入れられたのか?と訊かれたら、別にそうでもなく普通に言語音で「名前=鳴き声」の鳴き声を出しているように思える。お約束として提示すれば視聴者が受け入れることは以前から可能だったのだろうか?あるいはアニメが人口に膾炙することで「名前=鳴き声」の演技を受け入れる下地が整ったのか?