in concerto/ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ(BONGIOVANNI GB2520-2)


Vincenzo La Scola in Concer
Vincenzo La Scola in Concer
posted with amazlet at 10.10.17
Vincenzo Molinari La Scola
Bongiovanni


C


ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ(Vincenzo La Scola)のライブ録音。1996年4月15日。ピアノ伴奏はPaola Molinari。
ラ・スコーラは名前は聞いたことあったもののちゃんと録音を聴いたのは初めて。しかしあまりピンとくるものではなかった。
響きの鳴りが別に多いというわけでもなく、かといって深い響きがあるわけでもない、広がりも別段普通で柔らかさが際立っているというほどでもない。ごく普通に構えることなく歌っている自然体な雰囲気は良さだと思うが、それ以上の点についてはどこも取り立てるものはないのではないだろうか。ただ、第2パッサージョより上の音域、いわゆる聴かせどころになると途端に声の通りが一段階良くなる感はあるのでテノール的ならしい美点は持っている。
というわけで、声の響きの作り方から聴くとあまり私は評価されるものではない録音だと思ったが、前述した自然さにこそこのテノールの魅力は集約されているのかもしれない。ある程度の発声を自然と備えた声の持ち主が特段に構えることなく歌っているその立ち姿を近くに想像させる声は、その先にも後にも人がいる。
録音はかなり好み。声がわかりやすい。
歌としては演奏におもしろみを感じない。ふつう。あと伴奏がおもしろくない。曲目は歌曲とアリア半々くらい。


BONGIOVANNIのライブ録音盤は見かけたら聴いてます。