バーナード・ベケット『創世の島』 感想

創世の島
創世の島
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バーナード ベケット
早川書房
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人工知能問題と隔離された島の歴史について、入学試験の口頭試問を受ける少女の答弁を通じて追っていくという内容。
最後数ページが凄いという触れ込みの1冊だが確かに良い。急に鮮明な映像が浮かび上がるような展開と描写で印象に残る。落ちが読めるという感想をいくつか見かけたが、読めたとしても映像的な衝撃は薄れないだろうから問題ないと思われる。
そして結末を知った上で物語を思い返せば、なるほど物語自体もよく整っている。読んでいる最中は人工知能の話もSF的世界観の島もどちらも普通かなぁという感じだったが、結末を知った上で振り返ると普通ながらも要点を押さえた良さが見えてくる。
さらっと読んでおおっとなるには悪くない小説でした。