ヴェルディ:レクイエム/カール・リヒター指揮(Altus ALT156)

ヴェルディ:レクイエム (2CD)

ヴェルディ:レクイエム (2CD)

レクィエム カール・リヒター&ミュンヘン・フィル、ミュンヘン・バッハ合唱団、ほか(2CD) : ヴェルディ(1813-1901) | HMV&BOOKS online - ALT156


B+


いかにもではあるが、宗教曲っぽくて構築的で構成感のあるヴェルディが聴ける。素晴らしい。


リヒター最盛期のヴェルレク。ソリストも一流どころ。
本盤最大の傷は録音。ライナーノート曰く、「オーディオ・マニアであった当時のミュンヘン・バッハ合唱団の団員が収録したもの」だそうだ。ただこの紹介からだととんでもないものを予想するが、微妙な録音ではあっても悪い録音ではない。音は意外と鮮明、だが全体のバランスが悪い録音で特にソリストの声は遠かったり合唱が割れてたり(まあヴェルレクではよくあることだが)。
演奏内容は素晴らしい。ヴェルディのレクイエムというとどうも力押しな部分と冗漫な部分しかないイメージがあったが、非常に統率力のある演奏。あまり聴き込んだ曲じゃないが、私の聴いた中ではベスト。他の録音だと「怒りの日」で爆発してあとは余禄みたいな印象があったが、本盤では曲の構成がよく見える演奏で冗長さを感じない。特に感心したのはソリストへの統率力で、合唱もソロも勢いあまって力をふるいたくなるこの曲でしっかりと保たれていた。


リヒターの発掘音源の中でも当たりの部類かと思う。おすすめできる。