「霞外籠逗留記」琵琶法師クリア

「霞外籠逗留記」法師クリア。物語上の大きな謎がまだ明かされていないがまたレビュー。→クリア後レビュー書きました。


文章が上手いかどうか、悩むがよく分からなくなってきた。こういう文章を書く人がエロゲにいなかったのは確か。語彙と知識が豊富なのも間違いない。だが、どうも巧みな文章という気がしない。
「慣れない文体である」というのと「他のエロゲとではなく小説媒体と比べてしまうから」というので厳しい評価になるのかもしれん。


ストーリーの構造、展開は凄く普通。
文章と趣味が一風変わっているのに、あまりにもシナリオの骨組みが普通。肉付けは趣味が出ている。
ストーリーが巧くない分ライターの趣味も活きないから残念。


文章の趣は体験版や広告に期待したなら、その通りのものが得られるだろう。
だがこちらにも一つ残念なのが、会話文。
法師は「教えて」を「おせえて」と口にするなどの砕けた喋りを萌え要素としていたはずが、物語冒頭以降は普通の口調の女の子に。もったいない。設定を変えたか忘れたか、そういう会話文は書けなかったのか。


以下は印象的だったシーンのキャプ画像。


キャプ1
素晴らしい。この1ページはどこを切っても素晴らしい。あまりに素晴らしいのでキャプを日記に張るにはもったいないかと今でも考えている。全編このレベルなら大傑作なんだが。


キャプ2(ややネタばれ)
「霞外籠逗留記」で特徴的なのが、語り手による地の文の多さ。あまりに滔々と語る地の文にこのシーンはちょっと笑った。




8/4追記:司書クリア


シナリオは法師ルートよりはまし、かなあ。
法師ルートは完全に一つの話であったが、司書ルートは連作短編小説のような形式で語られる。小話を挟んで、最後に大筋の解決というふう。
そのメインの話はそう大した出来じゃなく法師ルートと大差なかったが、小話のほうが幾分ましだった。話の筋は非常にスタンダードで、あまりにもスタンダードなため何だかなとも思うが読めなくはない。
ただ、琵琶法師と比べるなら、キャラクターとしては司書のほうがよく描けていたように思われる。何にせよどちらも若干設定倒れ、というわけではないのだが、設定もったいないです>< という感じかな。


何で琵琶法師が盲目じゃないんだー!
法師ルートのあそこのあのシーンであれは燃やせよ!
司書ルートは設定を捻れよー!じゃなきゃ構成。右腕と左腕はちゃんと校正ー