ユリウス・パツァーク:美しき水車小屋の娘ほか(ANDRCD5009)
- アーティスト: Schubert,Lieder,Patzak
- 出版社/メーカー: Andromeda
- 発売日: 2012/01/01
- メディア: CD
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A
ユリウス・パツァーク(Julius Patzak)による歌曲集。美しき水車小屋の娘ほか、シューベルト、ヴォルフ、モーツァルト、シュトラウスなどの歌曲が収録。リヒャルト・シュトラウス本人が指揮の演奏も3曲。伴奏はシュトラウスの歌曲以外ピアノ。
パツァークはワルター/フェリアーとのマーラー「大地の歌」録音でのテノールと有名。
だがむしろ、それ以外であまり有名じゃないことにびっくりするような歌手。
持ち味は繊細で柔らかい声と、独特な節回し。どこか投げやりというか気だるげというか。
太い声も出せるが、軽めの声で攻めることが多くまたその方が良い出来。緩急の使い方が比類ない。声もテンポも。
ティッツェさんはモーツァルトテノールとして素晴らしいと書いていたっけな。
一年振りくらいにこのCDを聴きかえしたのだが、涙がちょちょぎれるかと思った。シューベルトの歌曲はマイナーめなものが収録されているのだが、どれも一時期パツァークを参考に練習したものです。
パツァークは物凄く上手いながらも(声も歌い方も)灰汁が強く、やや薦めにくい歌手ではあるが、この録音はパツァークの良さが前面に出ている上リマスタリングもよく聴き易いのでパツァークのCDの中ではお薦め。「大地の歌」よりも。
「美しき水車小屋の娘」も悪くはないが、お気に入りはシューベルトの歌曲(Stimme der Liebe,An die Nachtigall,Im Waldeなど)。
お薦め云々というより、私的名盤。久しぶりに聴いてやはり素晴らしかったのでレビュー、という感じ。