ゴルトベルク変奏曲/カール・リヒター (1979年東京ライヴ)

バッハ:ゴルトベルク変奏曲/カール・リヒター(Karl Richter) (1979年東京ライヴ) (TDK TDKOC003)


B−


奇演。


リヒター晩年のライブ録音。
日本でのライブ録音、TDKのライブ録音双方に通じて言えることだが、このCDも音質は相当良い。
3000円くらいで発売した同盤の廉価再版版(1050円)でこの価格なら問題ない。
以前その3000円くらいの時私が買ったTDKのフルニエのバッハ無伴奏チェロソナタ全2枚(評価B)が、後に各CDショップでメガラごとくワゴってたことを思えば納得の値引き。


この演奏が奇演たる理由だが、ミスタッチがざっくざく、途中で曲が分からなくなったのか変奏の最初に戻る、分からなくなったところを即興でごまかす、などによる。
構成の妙が曲の魅力であろうゴルトベルク変奏曲でそんな内容なら駄目だろうと言われるかもしれないが、何故か曲の構成力を感じさせる演奏であり、言い知れぬ迫力のようなものもついてくる。
これについては流通元が書いたであろう紹介文の「ドイツの野人が踊り狂っているような大迫力と気迫」というのが端的。
高い評価は付けにくいが決して悪い演奏ではない。
ドイツの野人の踊りが気になるなら買い。