イタリア歌曲の夕べ:ブルゾン/ルイゾッティ

イタリア歌曲の夕べ:レナート・ブルゾン(Renato Bruson)/ニコラ・ルイゾッティ (TDK TDKSA002)

C

タワレコ店頭で試聴した時はスルー、のちに気になって入手。
スルーしたままでも問題なかったかも。

2004年4月3日サントリーホールでのライブの録音。
歌手は齢60にしてベルカントな声を響かすバリトン、という売りのはず。

声はその文句に違わず悪くない。
しかし良くない。
現役ではどうか分からないが、録音として過去のバリトン達と比べるとそこまで響きがいいわけではない。
二流ではないが、一流としては及第点かどうかというところ。
そして、声にいわゆる味とか個性というものが出ていないのがなんとも。
この人でなければならない、という魅力が感じられない。
演奏が面白いということもなく、歌い崩しなどのない妥当な解釈で歌っている。
その演奏は上手いのに全然聴き手を音楽に導いてくれない。

オペラの登場人物の一人なら色々違うかもしれない。
支えとか教師とかであれば別だが、花形とかトップは向かないという印象。