ゲームを中断するタイミングについて


ゲームをプレイしている、さっきまでプレイしていた。そして中断した。


中断するタイミングにはいつも困る。
ADVのエロゲであれば、いまが止めどきだよーというのをプレイ中の雰囲気から探って、物語に谷間に見えるところで中断することが多い。エロシーンで止めることも多い。
でもこれはあくまでプレイヤーである自分がタイミングを伺って止めるのであって、おもしろいゲームであればあるほど止めどきに困る。物語の佳境では中断しにくいわけだけど、おもしろいゲームほど全部が佳境になってくる。


本だったら、演出という山と谷がないのでADVのエロゲよりも中断しやすい。
映画だったら、一本通して見ることが前提なので中断するなら佳境で中断してももうしょうがないと気にならない。
エロゲでもシミュレーションとかは中断しやすい。拠点画面なんかがあるようなゲームだとセーブするタイミングなんて考えるまでもないのでいいです。
アドベンチャーのエロゲはセーブして中断するという行程で物語に水を差す。あるいは、セーブして中断そして再開という行為が、最近はデザイン的には見た目が整えられたエロゲも増えたけど、物語という面にはやっぱり水を差してしまう。かと言って映画のように中断することなくプレイし終えるにはエロゲ一本は長すぎる。


そんなふうにセーブするタイミングに困るのがアドベンチャーという多数派のジャンルのエロゲなわけだが、そこに燦然たる役割を果たしてきたのが選択肢。選択肢の場面は必然的(?)にセーブするので、中断するにはちょうどいいタイミング。選択肢が多いゲームはセーブする機会に困らないからちょこっとやってちょこっと中断というプレイスタイルになりやすい気すらする。


じゃあ選択肢がないエロゲだと中断に困るのか?鬼哭街なんかを思い返すとそうでもなかった。本媒体に近いからだろうか、好きなタイミングで栞を挟むことにあまり違和感はない。
問題は演出がしっかりつけられている場合。画面が動いていたり立ち絵が動いていたりするときは中断しづらい、せめて絵の動きが止まったタイミングにしようかなあという考えになる、そういうことを考え出すと中断すること自体がちょっとした決心が必要になってくる。そう、『魔法使いの夜』のことです。
切りどころの見えないゲームは中断しづらくて、でも中断すること自体はゲームの長さ的に織り込まれていてしかるべきものであり、そこになにか練り込まれるべき点があるなあと思いながら。