ロッシーニ:トルヴァルドとドルリスカ/ペレス指揮、ペルトゥージ、プラティコ、メーリ他(King International KKC9005)

Torvaldo E Dorliska [DVD] [Import]
Dynamic Italy (2007-10-30)
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『トルヴァルドとドルリスカ』全曲 マルトーニ演出、ペレス&ボルツァーノ・トレント・ハイドン管、ペルトゥージ、タコヴァ、他(2006 ステレオ 日本語字幕付) : ロッシーニ(1792-1868) | HMV&BOOKS online - KKC9005


A−


何よりブルーノ・プラティコがすばらしいが、男性陣の重唱でこそすばらしさがあらわれている。
男声の重唱はどれもすばらしいが、特に中盤で聴ける男声3重唱はそれはもう良いものです。


メーリとプラティコの両者が配役で並んでいるため聴く前から好ましいことが分かっていた録音だが、この公演では配役の妙が大きいのではないだろうか。メーリとプラティコのみならず他のソロ歌手まで含めて声における配役のバランスががっちり効果をはっきしているように思う。喜劇性に富んで実に達者なプラティコが目立っているが、他のバリトンは手堅く中庸の程度にバリトンらしい発声。メーリは若いのもあって最近の録音と比べてもさらに威光とでも言うような性質の薄く、しかし軽いというわけでもなく。これらの歌手が単独では普通に良いという程度なのだが、重唱となると声の響きに絶妙のバランスを感じさせる絡み具合となって実に聴かせる。声の響きが似ているというわけではないので、あくまで公演と配役の選択に妙があったのではないかという内容。ソプラノは良くも悪くもない感じだろうか。
メーリの声を鑑賞するなら他のDVDのほうが良いかもしれないが、公演全体として見ると素晴らしく薦められる内容。