2008年度ベストCD

サイトの方針としてこれは書かねばならないでしょう。
今年何を聴いたかもう多すぎて分からなくなっているので、発売年を考慮し今年出たCDのベストを取り扱う。
というわけでベストはこれ。


バッハ:フーガ集

バッハ:フーガ集

平均律クラヴィーア曲集から4声のフーガ集 エマーソン弦楽四重奏団 : バッハ(1685-1750) | HMV&BOOKS online - 4777458(DG 4777458)




以前にもレビューを書いたが、「現代トップの弦楽四重奏団にしかなしえないだろう演奏」という点で抜きん出ている。
旋律性という点から聴くとベストという程の演奏ではないのだが、和声的に凄い。ハーモニーの権化のような完璧っぷり。一糸乱れぬピッチと呼吸。音楽が質量を持って押し寄せてくるような隙の無さ。
「ただ演奏が正確なだけでは音楽にはならない」というのはよくある物言いだが、本盤では正確な演奏でしか到達し得ない芸術が表現されている。稀有な例である。


そのコンセプトと到達点がとにかく凄い、面白い、興味深いというCD。誰が聴いても最高というのとはちょっと違うが、音楽性もそこそこの内容の盤ではある。一聴を薦める。