バッハ:イギリス組曲第2番ほか/フリードリヒ・グルダ(DG 4778020)

Gulda Plays Bach

Gulda Plays Bach

グルダ・プレイズ・バッハ−ライヴ録音集1955−69 : バッハ(1685-1750) | HMV&BOOKS online - 4778020


B


グルダらしさを味わうには及第点。


グルダの録音はモーツァルトの発掘音源しか聴いたことがなかったので、初めてグルダ編曲の前奏曲とフーガを聴いたときは度肝を抜かれた。
色々な録音が集められているが、アルバムを通して聴くとアナウンスから始まってアンコールでグルダ自身による曲が演奏されて、と、ちょうどリサイタル一回分みたいな配列がされている。
演奏は霊性を感じるような出来ではないが、情緒よりも対位法が前面に押しだされた演奏で、聴いていて構造がびしばし伝わってくるような感覚が気持ち良い。
アルバムの体裁として、オールバッハプログラムのリサイタルっぽい構成で、これだけバッハを聴いて最後、グルダが曲紹介でプレリュードとフーガ「von mir」と言い観客に笑いが起こる、とすぐにジャズ風のプレリュードが勢いよく演奏され始めるあたりはグルダの面目躍如。
バッハも圧倒されるような演奏ではないとはいえ悪いものではなく、ちょうどいい感じのグルダ紹介盤として聴くことができた。グルダアレンジの前奏曲とフーガは聴けてよかった。