グレッグ・イーガン「TAP」

TAP (奇想コレクション)

「TAP」と「銀炎」がそこそこ面白く、他は特筆に値しない、かな。

一部の殆どSFじゃない作品を除けばそう悪いとまでは言わないが、既刊邦訳本で見たことあるようなアイデアや世界観が多く使われていて目新しさがない。なので、この作品集を読んでいなくてもイーガンファンは名乗れるかなという印象を抱いた。
全編において斬新だったり奇抜なアイデアはほぼなかったと思うが、その中では「銀炎」の「イヴェント」が映像的に鮮烈で良かった。
表題作「TAP」は流石に面白い。ただもうちょっとデバイスとしての「TAP」に説得力が欲しかった。
あとは「新・口笛テスト」が結構好き。イーガンに求められているものではなさそうだが。

やっぱりもう他の作品がたくさん刊行されたあとにこの作品集というのが一番大きかろう。「ユージーン」「要塞」「森の奥」とかイーガンっぽい話は多かったのでイーガン分補給には十分だった。Teranesiaはまだっすかね（＾＾；