「ラ・ボエーム/Paoletti指揮 Lauri-Volpi」

「La Boheme: Paoletti / Rome Opera Lauri-volpi Schimenti Ciavola」
(GL100801)


A−


ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ60歳でのラ・ボエーム全曲。ローマ劇場。

おまけで65歳の時の管弦楽伴奏によるオペラアリア7曲、81歳の時のピアノ伴奏によるオペラアリアや歌曲(Caro mio benなど)11曲を収録。


音質は良い。特にラ・ボエーム
1952年でこれなら十分高音質。声が非常によく捉えられている。
ただ編集ミスで一箇所音がおかしくなっていたりも。
このCDはどうもいい加減なようで、おまけで収録されたほうの曲目が、確かにCDに収録されているのである意味大丈夫なのだが、ブックレットの記載と曲目の順番がまるで異なっているのだ。最初聴いたときは何事かと思った。


内容。
ラ・ボエームはヴォルピ以外も良い。
ミミのソプラノが微妙めにも感じたが、あまり聞かない人ばかりだが歌手は総じてレベルが高い。
ただ、ヴォルピと並べて聴くと、ヴォルピの声だけ異質と言っていいほど響きが違って、ヴォルピ凄すぎです(><)となる。
他の全曲盤をあまり聴いていないので比較しづらいが、ラ・ボエームの全曲を聴きたい人に薦めるほどではないと思う。とはいえ指揮もオケも好印象。


おまけの録音。
81歳での録音が衝撃的すぎる。
記事にヴォルピの85歳の時の動画をあげておくが、これよりはましとはいえ、悪い意味で凄い。音は外れる、息は持たない。
それなのに響きと高音は余人の及ばないレベルというのが良い意味で凄いという、嗚呼なんだこれ。
他をあまり知らないが、この年齢での録音としては一聴に値するものを持っている、保っている。衰えとは関係なく、なおも上へ上へと響きが乗る(それゆえか上ずることもある)歌い方は興味深いものだ。
歌としては心にゆとりを持って聴けば巧い。私は最初聴いたとき、半音ぐらい高い音で堂々と歌いだすヴォルピが衝撃的過ぎて言葉を失った。