スマイルプリキュアで気になる「ハッピーエンド」「バッドエンド」という言葉について


あまり熱心に見ているわけでもないですが『スマイルプリキュア!』を見ています。
スマイルプリキュアのストーリーをざっくりまとめると「世界をバッドエンドにしようと企む悪者から世界を守るため、ハッピーエンドを目指す5人のプリキュアの戦い」となりますが、作中でことあるごとに「ハッピーエンド」と「バッドエンド」という言葉が口に出されるので、見ていてもぞもぞ気になります。自分がエロゲを趣味としているせいか、ハッピーエンド・バッドエンドという2つの言葉はゲーム用語のような感じがして、子供向けアニメでサブカル用語が連呼されているかのような感覚があります。


で、気になってちょっと検索。
青空文庫のサイト内を検索したところハッピーエンドは「ハッピーエンド、ハッピー・エンド、ハッピイエンド、ハピイ・エンド」の4種類の表記で見つかる。最も古い用例は新しき夫の愛(「婦人公論中央公論社 1931年)で、他には宮本百合子という批評家の用例が青空文庫でいくつか見つかる。宮本百合子1937年の報知新聞で使用しているのを見るに、戦前の時点ですでに新聞に使えるくらいに膾炙していたのなら充分古い言葉なのだろう。寺田寅彦の用例もあった。ハッピーエンドという言葉のそもそもの由来とか英語圏でどうとかは調べていないのであれだけど。
で、それに対して「バッドエンド」は青空文庫には用例なし。というかハッピーエンド以外の〜〜エンドの用例はなかった。KOTONOHA「現代日本語書き言葉均衡コーパス」 少納言で検索したら、バッドエンドはYahoo!知恵袋に3件の用例。バッ"ト"エンドの用例がYahoo!ブログに2件。ちなみに「トゥルーエンド」の用例はYahoo!ブログに1件。


ハッピーエンドという言葉のそもそもの成り立ちとか英語圏でどうか外来語なのかどうなのかとか、そこらへんは調べていないのでなんなのですが、とりあえずバッドエンドという言葉のほうは比較的新しいっぽいけど、いつ頃できたのかしら。
wikipediaさんハッピーエンド - Wikipediaによると和製英語らしいのだけど、そうなのかしら。あ、この記事を書くにあたって大きい辞書は調べていないのでそこら辺ひいたら載ってるのかも。誰か知ってたら教えてください。


青空文庫を検索している感じだと、ハッピーエンドの用例は戦前にさかのぼるけれど1950年前後に用例が多いし、人口に膾炙したのは戦後だとしてもおかしくないよなあという印象。
個人的にはロックバンドのはっぴいえんどの活動が1970年頃なので、これが一つの目安になるんじゃないかと思っている。
ハッピーエンドに対応しそうな言葉として大団円(あるいは「めでたしめでたし」)はあっても、バッドエンドに対応しそうな言葉が思い当たらないのも気になる。
あと「バッド」の反対にはふつう「ハッピー」を置くけど、スマイルプリキュアは敵方の「バッド」に対してハッピーを筆頭にした「スマイル」が置かれているあたり、トゥルーエンドがハッピーなのかとかどうかとかのそういったルート構成というかエンドについてのいろいろな考え方を踏まえているように感じます。


ハトプリにはダークプリキュアが居たけれど、スマイルプリキュアだとバッドプリキュアになるのだろうか。ぴかぴかぴかりんじゃんけんぽん!
・・・・・・じゃんけんは三すくみだけど、これが伏線でハッピーエンドとバッドエンドに対してまさかの第3の勢力が出てきたりとか。