新城カズマ『15×24 link one,two』感想
15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-1)
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15×24 link2 (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-2)
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タイムリミット鬼ごっこもの。
鬼ごっこだけでも面白いのだが、雪だるま式に膨らんでいく物語も展開するたびにぐわぁーっと声を上げたくなるような内容。
作者本人があとがきで『この物語は、面白いです。』と書いていても嫌味に感じない程度に面白い。
一人称が頻繁に入れ替わるが、読んでいて時系列で混乱しないあたりは作者の巧さなのだろう。
登場人物の多さに合わせて文体も様々で、全体的に口語的で軽め。だが別に技巧に走っているわけではなく新城カズマらしい文章。
自殺ものとしては、link twoまでに種は色々蒔かれているがまだ全然回収されていない、ので評価できない。これからに期待。
10月末にlink threeが刊行されるようだが計3000枚という分量から推し量るに12月刊行分で完結するのか?というところだろう。
薦めるに足る面白さだが、刊行に合わせて逐次読んで続刊はまだか!と叫ばないと楽しめないという小説ではないように感じる。むしろ一気に読ませてほしいタイプ。なので完結してから読むのでもいいかも。