「キャラクターの成長」に「絵柄の統一」は影響しないだろうか?

あずまんが大王はキャラクターが成長する4コマ漫画である。
キャラが成長すれば見た目が変わるのが自然だ。あずまんが大王は連載を通じて絵柄が大きく変化した。目の大きくキャラクターの可愛さを押し出すような絵柄から、デッサン力の向上を感じさせられる以前よりもやや頭身が高めの絵柄へと移り変わった。そして絵柄の変化は期せずしてキャラクターの成長と同期し、卒業へと向け淡々と進む成長する4コマ作品としての完成度へと結びついた。
新装版では多くが描き直された。現在のあずまきよひこが描き直すことによって漫画1冊通しての絵柄に統一感が生まれた。絵柄を統一するという描き直しを逆に捉えると絵柄の変化を削ったということである。現在のあずまきよひこの絵柄はあずまんが大王連載時より安定している。新装版の1巻最初と3巻最後での絵柄が変化しているというようなことはないだろう。
全てが統一された今の絵柄に描き直されたとき、「キャラクターの成長」という魅力は損なわれはしないだろうか。